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記憶の隅に [宮本 輝]

宮本 輝 著 星々の悲しみ

本書は、大学時代、一度読んでいる。
先日、実家に帰った際、妹の書庫
(どうやら妹にあげていたらしい)にあるのを見つけた。

思い出してブログに書こうと思いきや、内容が全然思い出せない。
ならば再読してみようと思い立ったのが、二週間前。
電車の中、揺られながら再読終了。

短編の中、表題作だけ再読しようと思っていたのだが、
いざ読み始めると夢中になり全て読んでしまった。

通しで読んでみると、死をテーマに、
人の儚げ、脆さ、弱さを巧みにバラエティー豊かな表現で描いている。

特に心象風景と雰囲気(言葉使い)の使い方がうまい。

特に秀抜なのが、やはり表題作。

大学浪人の主人公が、予備校にも通わず、図書館や、喫茶店にのめり込む。
ついつい今やるべきことから目をそらし、好きなことに没頭してしまうことが、
自分と似ている。

この点に惹かれ、本書を当時購入することとなったような気がする。

大学に合格した直後、本書を読んだので、好きな時間に好きなだけ読める
当時の環境に少なからず優越感を感じた。


その主人公はそんな中、予備校で知り合った友人と出会い、そして別れる。
なじみの喫茶店に飾ってあった絵画「星々の悲しみ」に
別れた友人を照らし合わせる。

言葉にすると、数行で済んでしまうかもしれない。
しかし、本書の織り成す文体から雰囲気まで、
一文字一文字が意味があるように思える。
深く、しかし優しい感じがする。

当時、自分が感じていたこと以上に再読により読み取れた。
それは大学時分の僕より、経験が増えたことによるものである。

それにしても、ここまで記憶が薄れているとは思わなかった。
素晴らしい作品を完璧に忘れていたのだ。
 
そう、当時気に入っていた作品であるにもかかわらず。

なんだか再読の醍醐味と、自分の記憶力の低下を再認識した一冊だった・・・。

得したような損したような。

星々の悲しみ

星々の悲しみ

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 文庫

 

 


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