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冒険 [辻 仁成]

辻 仁成著 「カイのおもちゃ箱」。
迷子になった少年、カイ。
実は、悪を倒すための冒険に出ていたのだ。

生まれたときから自閉症で、感情の起伏のないカイ。
そんなカイが、冒険を通じ成長していく様が描かれている。

冒険というと、ワクワクドキドキ、溌剌とした活劇・・・、などとは違う。
全体は虚無感に覆われ、僕のイメージでは作品に「白いモヤ」がかけられているようだった。

振り返ると、僕もカイと同じくらいのころ、毎日冒険に出ていた。

僕の冒険は、カイとは対称的なワクワクするものだ。

近所の公園から家まで、秘密の抜け道を探したり、
自転車に乗れるようになってからは、新しい公園を探しに行ったり。

大人になってみると、なんてことのない場所や、距離であっても、
あのころは冒険だった。

悪人を倒す冒険のような大それた目的はなかったが、
メダカのいる公園、ロープウェイのある公園、タイヤのある公園など、
普通の公園にないものを見つけると、まるで世紀の大発見のような気分になった。

コロンブスにも負けないくらいの喜びを感じていた。
少しずつ、歳をとるごとに感動や、新鮮さが失われていく。
経験という財産を得る対価として、失われるものもある。

しかし大人になっても、冒険したいものだ。
遠く旅に出ずとも、普段歩かない道や、立ち寄ったことのない店など、
身近で簡単に冒険できるはずだ。

通勤や帰宅となると、一刻も早く済ませたく、
ついつい最短距離のいつもの道になりがちだ。
そこをぐっと我慢し、身近な旅に出てみたいと思う。

普段通らない道を歩くというのは、脳の刺激になって、
その日の仕事にも良い影響を与えるらしい。

明日から、日常のほんのちょっとの冒険に出てみよう。

カイのおもちゃ箱

カイのおもちゃ箱


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空想と孤独 [辻 仁成]

辻 仁成著「ピアニシモ」
この作品は、辻氏の中でも賛否が分かれる作品であるが、
僕は処女作という点だけでなく、題材に評価を与えたい。

主人公が、「孤独」に耐えうる術として生み出す空想の友人。
むろん彼にしか見えない。
思春期の多感な時期と孤独が相まって生まれた友人は、
主人公の最高のパートナーであった。
しかし彼が成長し、孤独という殻を破ることでその友人は・・・。

今、この歳で僕は空想というものに耽ることがあるだろうか。日常を振り返ってみた。
電車や道を歩いているとき、ぼーっとすることはあるが、空想というには程遠い。

空想を楽しんだ最後は、おそらく小学6年生だろう。
当時は土曜午前授業であり、僕は毎週のように午後のひと時を空想に耽っていた。
ガンダムキン肉マンの消しゴムを動かし、プロレスサッカーなど、
勝手気ままにシナリオを作り戦わせていた。

しかし中学生になると、そういった遊びがパタッツとなくなった。
たしかに恥ずかしいという思いもあり、自然にやらなくなったのだと思う。

アニメ玩具から、CDや雑誌へと興味が移っていったのは中学生だった。
ただ中学生になっても、大人は、ニュースや新聞の何が面白いのだろうと疑問に思っていた。
しかし、大人になった今、それに一番興味があるのは不思議なものである。

知らず知らず、嫌でも歳を重ねるごとに大人らしくなっているのだな。本人にその気がなくても。。。

ピアニシモ

ピアニシモ

  • 作者: 辻 仁成
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: 文庫


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