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宮部みゆき 著 : 誰か [宮部みゆき]

宮部みゆき 著 : 誰か

著者はいくつ引き出しを持っているのだろう。

今までにも著者を読む度文体が違う。
本書は自分好みの文体と雰囲気。

ストーリーだけを追えば、二百ページ程度で締めくくれる結末を
敢えて五百ページ弱まで広げている。

この手法がうまかった。
ダラダラ引き延ばしているのではなく、
ひとつひとつの出来事に息吹を与える。

そして主人公の朗らかさがその広がりを包む。

内容はというと、とあるお抱え運転手が突然事故で亡くなってしまう。
車を降りているとき、自転車にぶつかって。

犯人は子供だという目撃情報が。
しかし、被害者の意外な過去が明るみに出て・・・。
殺人事件らしく、いろいろな人間模様が生々しく描かれる。

しかし主人公の設定上、重過ぎずゆったりと読める。
きっとそれは主人公が幸せな環境にいるからだろう。

ミステリーにして主人公が幸せな設定というのはあまり聞かないし。
文庫本の表紙もいい。なんか愛着がわく。

まあ結末はせつないのだが、
主人公のそれに対する受けとめかたまたいい。
普段の幸せに一人戻っていく感じが。新しい宮部みゆきの発見です。

誰か (文春文庫 み 17-6)

誰か (文春文庫 み 17-6)


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諭す愛情 [宮部みゆき]

宮部みゆきの懐の深さ、大きさがわかる作品、
それが 宮部みゆき著  「クロスファイア」 である。
ミステリー、時代小説、ファンタジーと、多(他)ジャンルにおいて、
潜在能力を発揮する著者に感心してしまう。

本書は、ファンタジーミステリーとでもいうのだろうか。
超能力を使い、悪人を制す。
一見、ヒーローのように感じられるが、次第にその思いが狂気と化す。
突出しすぎた思いは、正義をも悪へと導く。

まるで、重い鉛を背負わされたような読後感。
小説自体は、重い内容でありながら、夢中になって読み進められる。
しかしながら、主役の狂気が痛く、それが最後の読後感に残る。

怠惰でいると、叱るのは当然だが、
うちの親の場合は、僕が社会人になってからは、
仕事で突出した成績を残すと、人に合わせろ、成績に溺れるなと諭す。

ときに夢中になりすぎて、周りを見失うなという意味だと思う。
たしかに突出した仕事の成績など、学生時代の成績と違い、
周りのサポートがなくては得られないのだ。
それをさも自分の成績、自分だけの成果と考えてしまうのは危うい。
本書の狂気とは、質もレベルも違うが、そんな親の一言を思い出してしまった。

主人公にも、諭す誰かがいたらと思ってしまった。
応援し、前向きなエールを送るのも愛情だが、
それを諭し、充分だと止めるのも愛情かもしれない。

この記事で、うちの親が立派で優しい人間に思ってしまったら間違いである。

子供のころ、普通、病気になろうものなら、親に優しくされたいものだ。
しかし、風邪をひいたら自己責任。体調管理能力が欠如しているという。
結構厳しい親なのである・・・。


クロスファイア(上)

クロスファイア(上)


クロスファイア(下)

クロスファイア(下)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2002/09/10
  • メディア: 文庫


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